避妊・去勢手術ってするべきなの?〜デメリットもしっかり知って後悔のない判断を〜

知識
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わんちゃんを迎えられた方はかかりつけのお医者さんから「避妊・去勢手術は検討しているか?」と聞かれたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以前、病院に行った際に当たり前のように聞かれたので戸惑ってしまいました。

一緒に暮らし始めてかなり早い段階で判断しなければいけないこともあり悩まれている方も多いのではないでしょうか。

私の周りのわんちゃんを飼っている方でも避妊・去勢手術をしたとの報告もちらほら聞きます。

私の印象ではありますが、日本では避妊、去勢手術を勧めているように感じます。

実際に日本の犬の去勢、避妊率は約44%とそれ程高くありません。(環境省 犬の不妊去勢実施調査より2011年データ)では、なぜ病院ですすめられるのでしょうか。

メリットはたくさん聞くのですが、実際のところどうなんだろう?、すべきなのだろうか?、なんの為にすべきなのかよく知られていないのではないのでしょうか。

中には、疑問にすら思わないで勧められて手術をしてしまい後悔してしまったという話も聞きます。

今回は私の経験談を踏まえわんちゃんの避妊、去勢手術について後悔のない判断をできるような情報をシェアしていきたいと思います。

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避妊・去勢手術とは?費用は?

避妊手術〜費用:約3万円〜
女の子の子宮と卵巣(動物病院によっては卵巣のみ)を摘出する手術のことをいいます。手術は一般的に、全身麻酔をかけてお腹を開けて行います。
手術時間は約1時間〜1時間半でその日のうちにお迎えすることが可能です。
(⚠︎詳しい手術の内容、金額は各病院によって異なる為かかりつけの病院にご確認ください。)
去勢手術 〜費用:約2万円〜
男の子の精巣を摘出する手術のことをいいます。一般的に手術は全身麻酔をかけて、精巣付近の皮膚を切開して行います。
手術時間は約30〜40分でその日のうちにお迎えすることが可能です。
(⚠︎詳しい手術の内容、金額は各病院によって異なる為かかりつけの病院にご確認ください。)

避妊・去勢手術の時期はいつが適切?

避妊手術の時期はいつが適切?
わんちゃんの犬種による差や個体差はありますが、一般的に生後 6 ヶ月から10 ヶ月で初めての発情を迎えます。これより前に避妊手術を行うことで乳腺腫瘍になる確率が低くなるということからこの期間に行う場合が多いといわれています。
ですが、全身麻酔をかけて行う手術となるため、わんちゃんの体調が良好な時、また通常、手術後のケアや抜糸までの通院などがあるため、飼い主さんも時間的な余裕を持てる時期が良いとされています。
(⚠︎手術の時期については、わんちゃんの体調や個々の成長の程度などが大きく関わってきます。検討している場合は一度、かかりつけの動物病院に相談するのがおすすめです。)
去勢手術の時期はいつが適切?
わんちゃんの犬種による差や個体差はありますが、通常生後 6ヶ月から 10 ヶ月で性成熟を迎え、この時期に行うことで足を上げてのおしっこやマーキングなどの習性が低下するといわれています。
ですが、全身麻酔をかけて行う手術となるため、わんちゃんの体調が良好な時、また通常、手術後のケアや抜糸までの通院などがあるため、飼い主さんも時間的な余裕を持てる時期が良いとされています。
(⚠︎手術の時期については、わんちゃんの体調や個々の成長の程度などが大きく関わってきます。検討している場合は一度、かかりつけの動物病院に相談するのがおすすめです。)

避妊・去勢手術のメリット、デメリット

次に避妊、去勢手術のメリットデメリットについてシェアしていきます。

避妊手術のメリット
  1. 発情がなくなり、それに伴うストレスがなくなる
  2. 乳腺腫瘍の危険性を下げることができる
  3. 子宮嚢腫のリスクを回避することができる
  4. 発情時に起こるの偽妊娠と呼ばれる症状をなくすことができる
  5. 卵胞嚢腫などの卵巣疾患を予防することができる(1 回目の発情前に避妊手術をすることで発症率が非常に低下するが、年齢を重ねてからの避妊手術では発症率に変化は見られない)
避妊手術のデメリット
  1. 全身麻酔の為リスクがある
  2. 失禁症(性ホルモンが低下することによって膀胱の筋肉収縮のコントロールを据ることが難しくなることが原因で起こると言われており、避妊手術をした年齢が若いほど発生しやすく、術後半年や年齢が高くなってから発症するリスクがあるといった報告もある)になる可能性がある
  3. 代謝エネルギー量が減る(20‐30%程度)ため、太りやすくなる
  4. 関節疾患のリスクがある(1歳未満で手術した場合は、関節疾患の発症率が16.36%と高く、2歳以降は5%との報告もある
  5. 副腎疲労のリスクがある
  6. 骨肉腫のリスクがある
  7. 陰部の皮膚炎
  8. ガン疾患率の上昇
  9. 骨密度の低下
  10. 脱毛、被毛の変化
  11. 攻撃性が上がる場合がある(性ホルモンが減少することにより男の子っぽい行動がみられるとの報告がある)
去勢手術のメリット
  1. 性ホルモンの減少により(わんちゃん同士男の子への)攻撃性が低下する
  2. マーキングの抑制ができる
  3. 足を上げての排泄予防ができる(6ヶ月未満に行った場合)
  4. マウンティングの予防ができる
  5. 前立腺肥大症のリスクを回避できる
  6. 睾丸腫のリスクを回避することができる
  7. 発情期に起こる問題行動がなくなる(1日中鳴き続ける、女の子のわんちゃんを追いかけ回すなど)
  8. 肛門膿炎のリスクの低下することができる
  9. 糖尿病のリスク低下することができる
  10. 会陰ヘルニアを予防することができる
  11. 精巣腫瘍を予防することができる
去勢手術のデメリット
  1. 全身麻酔の為リスクがある
  2. 代謝エネルギー量が減る(20‐30%程度)ため、太りやすくなる
  3. 関節疾患のリスクがある(1歳未満で手術した場合は、関節疾患の発症率が17.72%と高く、2歳以降は4%との報告もある
  4. 副腎疲労のリスクがある
  5. 骨肉腫のリスクがある
  6. 甲状腺機能が低下する
  7. 未去勢の男の子と接した場合弱い立場になりやすい
【参考論文】
犬の去勢が体組成に及ぼす影響に関する研究犬の避妊(卵巣除去)/去勢に関する長期的な健康面でのリスクと利点
■犬・猫における避妊手術のメリットとデメリット

結局、避妊・去勢手術をすべきなの?

それでは上記のことも踏まえ避妊、去勢手術はするべきなのでしょうか。

避妊、去勢手術はわんちゃん、飼い主さんにとっても一生のことになります。

そして、判断するのは飼い主さんになります。

様々な論文のデータを拝見してみてもある種の病気を防げたりするメリットもあればそれに伴いおこってしまう可能性のある病気もあるようでした。

また、研究されているわんちゃんは限定的で犬種による差がある可能性もあり、まだまだメリット、デメリットについては未知数でした。

今後歳を重ねていくにつれて避妊・去勢手術は全ての病気100%を防げるものではありません。

メリットだけに目を向けて進めるのではなく、判断をするためにも上記のデメリットの部分も十分に理解しておく必要があるのではないでしょうか。

その上でご自身のわんちゃんにとって避妊、去勢手術は必要なのかどうか?今一度検討してみてください。

我が家の去勢体験談について

我が家のおこめの場合、去勢手術をしています。

理由としては、停留睾丸だったことが1番大きいです。

一定期間まで降りてくるか病院で様子を見ていただきましたがおりてくる様子はありませんでした。

それでも若い時期にすぐに悪性腫瘍になってしまうこと、病気につながることはなく、去勢手術をするかどうかはかなり悩みました。

ですが、将来的に腫瘍化の危険性が格段に高まること、腫瘍化した年齢によっては手術が難しいことから去勢手術を行うことを決めました。

後悔をしていないかと言われれば100%とは言い切れないですが、その後年齢を重ね悪性腫瘍化してしまってから取り除くのは難しく、全身麻酔、手術のリスクが上がっていく為そのリスクは防ぐことができたと思っています。

手術当日は午前中に診察し体調に異常がないかどうかを検査した上での手術となりました。

手術前に記入する全身麻酔への同意書やその他の用紙があり、100%安全を保証するものでもなく、病院側は責任を負わないといった内容で本当に覚悟が入りました。

夕方に手術を終えたおこめに無事に会うことができた時は本当にホッとしました。

それから1週間程度は体調に変化がないか常に気を配り、すぐには体力が回復しない為元気のない様子を見て落ち込む日もありました。

体調は徐々に回復し、抜糸も無事終わり、今は特に何か疾患の影響もなく、肥満に気をつけながら生活しています。

去勢はしましたが、片足をあげておしっこもしますし、マーキングもしているので去勢のメリットとして挙げられていましたが100%そうならないということではないのだと思います。

 

ドッグランなどで未去勢の男の子と接した際にはどうしてもマウントを取られてしまうのでその点は今でもとても申し訳ないなと思っています。

この記事、体験談が少しでも皆様の判断の助けになれば幸いです。

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