おこめは外に出ると、結構な頻度でマーキングをします。ドッグランに行っても、他の犬と遊ばないで、囲いのフェンスに向かってずーーーっと「マーキング」。すごい謎なんです。
こういった犬の日常的な行動について、犬にとってどんな意味があるんだろうと気になったので調べてみました。
多くの行動はオオカミだったときの習性の名残
犬(生物学上:イエイヌ)は人間のペットになる前は、元々オオカミでした。
なので、多くの犬の修正は先祖であるオオカミの名残として残ったものが多いです。
犬の諸々の習性というのは、オオカミが野生で生きていく上で培ってきた、”生きる上で必要な習性”となるわけですが、気の毒なことに、人間に家畜化されていく段階で徐々にそれが無意味になっていってしまったんですね。
犬の先祖や歴史については以下に詳しくまとめています。
先祖の本能や習性が残るという意味だと動物である我々人間も同様です。
例えば「笑う時に手を叩く」仕草です。無意識にやってしまうこの動作、学問的になぜ行うかの理由は明らかになっていないようですが有力な説が2つあります。
1つ目は一種の興奮状態である”笑い”を制御する体のシステムであるという説。地団駄や人の肩を叩いたりするのもこの制御システムによるものだと言います。
2つ目は、本能であるという説。同じサルを先祖に持つチンパンジーが興奮状態のときに手を叩くことから、人間にもサルの仕草が本能的に残っているのでは、という話です。
個人的にはどちらも行動の理由として正しいような気がします。
先祖の本能や習性が行動として残るというのは、動物の行動を理解する上で重要な要素ということですね。
では、根本的な話に触れたところで、犬の行う各行動についてみていきましょう。
マーキングはなぜするの?
言葉の通り自分のテリトリーを把握するために目印として臭いをつけるという意味があります。
また、足を上げてマーキングするのは、より高い位置に自分の臭いをつけて「俺がこの群れのリーダーだぞ!」という意思表示をしているみたいです。
実際のオオカミの群れでは、リーダーだけ足を上げて用を足し、それ以外は座って用を足します。
あともう一点、マーキングに関する謎。おこめがよくやるのですが、おしっこが出てないのに足を上げる行為。これにも理由があるみたいです。
どうやら足を上げる行動には、おしっこだけでなく、尾の付け根あたりにある肛門の中の肛門腺という所から臭いの強い分泌液を出しているようです。
おしっこが出てないから無駄な行為だと思っていたのですが、犬にとっては意味のある行動のようです。
お散歩中の楽しみの一つなんだよ。理解してね。
尻尾の動きでわかる飼い主の舐められ度合い
舐められるという書き方をすると語弊がありますが、犬から見て飼い主が下の存在か上の存在かは”尻尾の動き”を見るとわかります。
どういうことかというと、犬の尻尾が上下するのには、前述したマーキングの話で出てきた”肛門腺から出る分泌液”が関係しています。
実はオオカミの群れでは尻尾を上げているオオカミが、尾を下げているオオカミより位が上なんです。位の低いオオカミは尾を下げることで、自分の肛門腺から出る臭いを抑え、服従を表しているようなんですね。
確かに、おこめが悪いことをしたときに怒ると、尻尾が下がります。人間が怒って、ちゃんと尻尾を下げる犬はやった悪いことに対してきちんと反省しているということになります。
また、犬は自分の思い通りになっていると尻尾が上がるようです。逆に尻尾が下がっているときは自分の思い通りになっていなくてストレスを抱えている可能性があります。
慢性的に尻尾が下がっている場合は、犬が自分の力で解決できない何かしらの原因でストレスがかかっているとも考えられるので、尻尾の動きは病気などを疑う上での一つの判断材料になりそうですね。
他の犬の上に乗っかる
おこめはドッグランで良く他のワンちゃんに上に乗られてしまいます。
これが相当な頻度でして、他のワンちゃんを見てもあまりそんな状況が見ないのですが、なんでなんでしょう。
他の犬の上に乗る行為は、これはいわゆる”マウンティング”と呼ばれるものです。
「俺のほうが上の位だぞ!」というアピールですね。
動物社会では常識的な順序確認行為であり、もちろんオオカミも行う行動の一つです。
♂も♀も関係なく行う行為です。
おこめさん、多分コイツ弱そうだなと周りのワンちゃんに思われているんでしょうね・・・。
強くなりたい。
ここ掘れワンワン!なぜ穴を掘る?
日本昔話である「花咲か爺」に出てくる有名なフレーズですが、これも先祖のオオカミの習性の名残といわれていますが、オオカミにとって掘る動作はとても重要な行動でした。
オオカミは寝たり、子育てをするために穴を掘って巣を作ったり、
はたまた、小動物(ウサギやアナグマ、キツネ)を捕まえる際に、小さな穴の巣に逃げ込んだ小動物を掘り返す際に穴を掘ります。
また、残った獲物を保存するためにも穴を掘ることもあります。アニメで犬が骨を埋める描写がありますがのはこの習性が元となっているんですね。
犬を飼っている人は見たことがあると思いますが、
犬って、クッションや座椅子をすごい勢いで掘ってそこでゴロンと寝ますよね。
この一連の動作、巣を作るために土を掘ってそこで寝るという、オオカミの習性そのものなんじゃないかなと思ったりします。
ウンチをした後に後ろ足で砂をかける行動の意味
犬がやるウンチを終えた後に後脚でシャッシャッとやるあの行動。実は未だに謎が多いらしく、定説は存在しないようです。仮説としては2つあるようです。
① 砂をかけて自分のウンチの臭いを消し、自分の存在を隠すため
② ウンチと一緒に足の裏にある”汗腺”の臭いをつけて縄張りをアピールしている
2つ説がありますが、有力なのは②となっているようです。オオカミの群れであれば地位の関係から②の理由も考えられますが、犬の場合はおしっこをかけてマーキングしている以上考えにくいですね。
ちなみに猫も犬と同様にウンチのあとは自分のものに砂をかける習性があるのですが、①の理由は猫の場合に有力な説となっているようです。
勝手な妄想ですが、もしかしたら最古の先祖であるミアキス(犬、猫の祖先)から引き継いだ習性の名残だったりするんでしょうか。
まとめ
犬にとってオオカミからの名残である行動は体に逆らえない本能だということですね。
生理現象は仕方ないことですが、マーキングなどは困っちゃうんですよね。
なので、お友達のおうちや、外出の際にはマナーベルトやマナーシートを使用して他の方に迷惑をかけないようにしましょう。
下の物はおこめが愛用している使い捨てパンツです。他の家だと容赦なく足を上げてやってしまうので必需品です。
コメント